病気休暇を承認された教職員が更に治療が必要なため休職する場合、どのような手続きが必要となるか。また、病気が回復し復職する場合の手続きについて、一般疾病による休職と精神疾患による休職とに分けて述べなさい。
分限
分限
- 分限とは、職員がその職責を十分に果たし得ない場合に、公務能率の維持向上のため、任命権者が本人の意に反して一方的に行う不利益な身分上の変動、すなわち、降任、免職、休職、降給及び失職を総称するものである。(地方公務員法第27条、第28条)
- 分限の手続き及び効果は法律に特別の定めがある場合を除き、条例で定めることになっており、(地方公務員法第28条第3項、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第43条第3項「職員の分限に関する条例」)に基づいて行われる。ただし条件附採用期間中の職員及び臨時的に任用された職員にはこの規定は適用されない。(地方公務員法第29条の2)
- 分限処分とその理由
降任…法律で定める事由による。
免職…法律で定める事由による。
休職…法律又は条例で定める事由による。
降給…条例で定める事由による。
失職…地方公務員法第16条各号(第3号を除く)の1に該当するとき。
休職
- 休職は地方公務員法第28条第2項により、次の場合に行われる。
ア 心身の故障のため長期の休養を要する場合
イ 刑事事件に関し起訴された場合
休職の期間
- 休職の期間は「職員の分限に関する条例」第4条により、前項アの場合は3年を超えない範囲内において、休職を要する程度に応じ、個々の場合において県教育委員会が定める。
- 教育公務員特例法第14条による校長及び教員の結核休職及び「公立の学校の事務職員の休職の特例に関する法律」による結核休職の期間は満2年であるが、得に必要があると認めるときは、予算の範囲内において満3年まで延長できる。
- 刑事事件に関し起訴された場合は、当該刑事事件が裁判所に係属する期間とする。
病気休職の始期
- 休職は、教職員健康審査会(県教職員健康審査会規則)の答申に基づいて発令し、原則として引き続いた病気休暇が90日を経過した日とする。
病気休職の手続き(一般疾病、精神疾患)
本人
- 休職願(本人の実筆)
- 診断書(月1回実施の健康審査会に間に合わせるため、ゆとりをもって診断書の依頼を行う)
校長
- 具申書
- 観察報告書
- (事実を時系列に報告するため、詳細な記録が必要)
- (定期的な本人との連絡、必要に応じて主治医との面談を行う)
市町村教委
- 内申書
職場復帰訓練(精神疾患)
- 精神疾患により休職中の教職員が、復職前に復職に対する不安を解消し、学校等の職場に円滑に復職するため及び精神疾患の再発防止のために、職場復帰訓練実施要領に基づき、職場復帰訓練(以下「職場リハビリテーション」という。)を実施する。
職場リハビリテーションの実施期間
- 準備訓練 約1週間
- 職種や休職期間によっては、準備訓練を省略する場合もある。
職場リハビリテーション
- 4週間
- いずれも休職中に実施する。
職場リハビリテーションの手続き
本人
- 診断書
校長
- 観察報告書、準備訓練実兄計画・状況報告書、職場リハビリテーション実兄計画書
復職(一般疾病・精神疾患)
- 復職しようとする者は、休職期間満了の1ヶ月前までに復職願いを提出する。
- 復職は教職員健康審査会の判定に基づいて発令し、その発令日は、休職期間満了の翌日を原則とする。
復職の手続き
本人
- 復職願
- 診断書
- 一般疾病の場合は、必要によりX線写真及び心電図等事由を明らかにする資料を添付する。
- 精神疾患の場合は、主治医と公的機関が指定した2名の医師による診断書が必要。
- 職場リハビリテーション実施記録(精神疾患)
校長
- 具申書、復職に伴う給料調整について(内申・具申)、観察報告書、職場リハビリテーションの概要、職場リハビリテーション観察報告書
市町村教委
- 内申書
その他「休職中に支給される給与」
- 公務上又は通勤による疾病及び結核性疾患以外の疾病を源とする休職の場合
休職発令期間は3年以内 - 1年目:給与等の80%を支給
- この場合の給与等とは、給料(給料の調整額を含む)、教職調整額、扶養手当、地域手当、住居手当、期末手当を指す。
- 2年目、3年目:無給
- 無給休職となった段階で、共済の疾病手当金及び互助会の傷病手当金の対象となり、請求によって支給される。
- 共済の傷病手当金の支給額は、1日につき給料日額の2分の3×1.25であり、1年6ヶ月間を限度に支給される。
- 共済の傷病手当金支給満了後、引き続き勤務に服することができない場合6ヶ月間を限度として傷病手当金附加金(傷病手当金と同額)が支給される。
コメント