教育法規4-(9)「初任者の出産休暇」

法規

今年度、拠点校方式による初任者が2人配置されたが、そのうちの一人が10月6日から出産休暇を取得することとなった。この場合の人事上のとるべき措置について述べなさい。また、出産休暇を取得した当該教員の初任者研修はどのようになるのか述べなさい。

母性の保護

「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(男女均等法)第1条」をはじめとする各種の規定により、母性は保護されている。同法9条では、妊娠を退職理由とする不利益取扱の禁止を定めている。初任者は、「地方公務員法第22条第1項」及び「教育公務員特例法第12条第1項」の規定により、1年間は条件附任用期間ではあるが、出産休暇を取得することに問題はない。

初任者

【教育公務員特例法第12条第1項】
公立の小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、幼稚園及び幼保連携型認定こども園の教諭、助教諭、保育教諭、助保育教諭及び講師に係る地方公務員法第22条第1項に規定する採用については、同行中「6月」とあるのは「1年」として同項の規定を適用する。

【地方公務員法第22条第1項】
臨時的任用又は非常勤職員の任用の場合を除き、職員の採用は、全て条件付のものとし、その職員がその職において6月を勤務し、その間その職務を良好な成績で遂行したときに正式採用になるものとする。この場合において、人事委員会等は、条件附採用の期間を1年に至るまで延長することができる。

【教育公務員特例法第23条第1項】
公立の小学校等の教諭等の任命権者は、当該教諭等に対して、その採用の日から1年間の教諭又は保育教諭の職務の遂行に必要な事項に関する実践的な研修を実施しなければならない。

【地方教育行政の組織及び運営に関する法律第47条の4】
市町村の教育委員会は、都道府県教育委員会が教育公務員特例法第23条第1項の初任者研修を実施する場合において、市町村の設置する小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校又は特別支援学校に非常勤の講師を勤務させる必要があると認めるときは、都道府県委員会に対し、当該都道府県委員会の事務局の非常勤の職員の派遣を求めることができる。

【県初任者研修実施要項及び細則】
①県教育委員会は、初任者研修の実施の伴い必要となる非常勤講師を配置するものとする。
②初任者6人に対し、拠点校指導員に係る定数加配教員を1名配置するものとする。
③初任者1名について機関研修に係る非常勤講師1名を1年度内で14日、1日7時間配置するものとする。学校研修は週5時間以上、年間150時間以上行うものとする。

出産休暇

【労働基準法第65条第1項】
使用者は、6週間以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない。

【学校職員の勤務時間、休暇等に関する規則第11条第1項】
職員の出産の場合出産予定日6週間前の日から産後8週間を経過するまでの期間。ただし、職員から請求があった場合において、任命権者が特に必要と認めるときは、出産予定日前の期間及び産後の期間を併せて2週間の範囲内の期間を加算した期間(加算休暇という。)

人事上の配置

  • 妊娠を確認した時点で、当該教職員に対し出産に伴う手続き等について説明し、今後の対応について確認をする。
  • 職務を補助させるため、校長以外の教職員を臨時的に任用する。
  • 拠点校指導員に関わる定数加配教員は、年度当初の学校編成基準が適用されるためその他の初任者の指導教員として継続勤務となる。
  • 機関研修に係る非常勤講師は、出産休暇所得者の機関研修による補助の必要がなくなる。そのことを想定して、年度当初に非常勤講師に説明しておくことが重要となる。
  • 初任者研修については、市町村教育委員会を通じ、初任者研修を主催する県教育委員会からの指示を受け、適切な処置をとる。

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