教育法規5-(8)「学校基本調査」

法規

 公立小・中学校を対象に、毎月5月1日現在で実施される学校基本調査は、どのような法令に基づいて行われているか。また、この調査の実施項目について述べるとともに、この調査結果から得られた児童・生徒数、教職員数等が行政施策面にどのように活用されることになるのか。

学校基本調査

 学校基本調査は、学校教育全般に関する最も重要な調査の1つで、国の指定統計(第13号)として、昭和23年から毎年実施している。この調査の範囲は、学校教育法で規定されている学校について、市町村教育委員会で、その学校数、児童生徒数、教職員数、学校施設、学校経費等が調査される。この調査の結果は、当面する教育課題を解決する基礎資料として利用されるばかりではなく、年次的推移を追うことにより、将来の教育計画を立てる際の貴重な資料となる。

法根拠

【統計法第2条】
「指定統計とは、政府若しくは地方公共団体が作成する統計又はその他のものに委託して作成する統計であって総務大臣が指定し、その旨を公示した統計をいう。学校基本調査は、指定統計第13号である。」

【学校基本調査規則第2条】
「学校基本調査は、学校教育行政に必要な学校に関する基本的事項を明らかにすることを目的とする。」

【地方教育行政の組織及び運営に関する法律第23条】
「教育委員会は、当該地方公共団体が処理する教育に関する事務で、次に掲げるものを管理し、及び執行する。」
17 教育に関する調査及び指定統計その他の統計に関すること。

【公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律施行規則第2条】
「文部科学大臣は、必要があると認めるときは、都道府県の教育委員会に対し、毎年度、別に定めるところにより、5月1日現在の教職員定数及び標準学級数に関する報告を求めることができる。」

【公立小中学校管理規則第36条】
「学校は、学校教育法施行規則第28条に規定する表簿のほか、次に掲げる第2欄の表簿を備え、それぞれ第3欄に定める期間保存しなければならない。」
6 統計綴り 5年

調査区分

  1. 学校調査
  2. 学校通信教育調査
  3. 不就学学齢児童生徒調査
  4. 学校施設調査
  5. 学校経費調査
  6. 卒業後の状況調査

調査項目

  1. 学校の名称、種別及び所在地
  2. 学校の特性
  3. 学部、学科、課程又は学級に関する事項
  4. 教員及び職員数
  5. 幼児、児童、生徒、学生の在籍及び出席状況
  6. 幼児、児童、生徒、学生の入学及び転出入の状況
  7. 教育委員会の名称及び所在地
  8. 学齢児童生徒の就学の免除及び猶予の状況
  9. 居所不明の学齢児童生徒数
  10. 志望した学生児童生徒数
  11. 土地又は建物の用途別、構造別等の面積
  12. 土地又は建物の増減の状況
  13. 経費に関する事項
  14. 収入に関する事項
  15. 卒業者の卒業時における所属に関する事項
  16. 卒業者の進学、就職等の状況

学校基本調査結果の行政施策への活用について

  1. 教育行政上必要な法規作成のための国会や議会等の参考に供する。また、当面する教育諸問題の検討、学校の配置・廃止、教員養成計画等、教育計画作成のための基礎資料とする。
  2. 政府から地方に交付する地方交付税の算定及び教職員の給与、その他教育上必要な経費等、補助金等の算定のための基礎数値とする。 ③その他、一般の行政資料及び民間企業等における資料としても活用される。

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