教育法規6-(1)「服務の根本基準」「職務行の義務」「身分上の義務」

法規

 服務の根本基準とは何か。教職員の服務について、どのような法令があるか。また、「職務上の義務」と「身分上の義務」について述べなさい。

服務の根本基準

「服務」とは

  • 「服務」とは、公務員がその職務に服する場合の在り方である。
  • 「服務の根本基準」とは、教員の服務の基本的な姿勢である。以下の法令に規定されている。

【日本国憲法第15条第2項】
「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。」

【教育基本法第9条第1項】
「法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない。」

【地方公務員法第30条】
「すべて職員は、全体の奉仕として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当たっては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」

教職員の服務について、どのような法令があるか。

  1. 〈服務の監督〉地方行法43①
  2. 〈服務の宣誓〉地公法31、服務規程5
  3. 〈法令等及び上司の職務上の命令に従う義務〉地公法32、地教行法43②
  4. 〈職務に専念する義務〉地公法35、服務規程8
  5. 〈秘密を守る義務〉地公法34①
  6. 〈信用失墜行為の禁止〉地公法33
  7. 〈争議行為の禁止〉地公法37
  8. 〈政治的行為の制限〉地公法36、教特法18、国公法102
  9. 〈営利企業等の従事制限〉地公法38、教特法17、服務規程20

職務上の義務

職務に専念する義務

  1. 公務員には、職務に専念することが義務づけられている。
  2. 公務員には、特に法令にそのことが明記されている。

【地方公務員法第35条】
「職員は、法律又は条例に特別の定めがある場合を除く外、その勤務時間及び職務条の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。」

「法律又は条例に特別の定めがある場合を除く外」の規程について
①地方公務員法関係

  • 休職(27条2項、28条2項)
  • 停職(29条1項)
  • 職員団体の専従休職(55条の2)

②教育公務員特例法関係

  • 教員が本族長の承認を受けて勤務場所を離れて研修を行う場合(22条2項)

③労働基準法関係

  • 休憩(34条)
  • 年次有給休暇(39条)
  • 産前産後の休暇(65条)
  • 育児時間(67条)
  • 生理休暇(68条)

④「学校職員の勤務時間、休暇等に関する条例」及び「職務に専念する義務の特例に関する条例」関係

  • 研修を受ける場合
  • 厚生に関する計画の実施に参加する場合

法令等及び上司の職務上の命令に従う義務

  • 公務員は、法令及び上司の職務上の命令に従わなければならない。
  • 「上司の職務上の命令」は、一般的に職務命令と言われる。

【地方公務員法第32条】 
「職員は、その職務を遂行するに当たって、法令、条例、地方公聴団体の規則(管理規則)及び地方公共団体の期間の定める規程(服務規程)に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。」

  • 校長は職務上の上司である。〔昭31.1.5行実〕
  • 講習会出席拒否は職務命令違反である。〔昭和33.10.24行実〕

身分上の義務

秘密を守る義務

【地方公務員法第34条第1項】
「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。」

信用失墜行為の禁止

  • 教職員は、児童生徒に与える影響が大きいため、一般の公務員より高い倫理性が求められている。
  • 犯罪行為はもとより、社会的に避難を受けるような行動や言動はあってはならない。
  • 体罰やセクシャルハラスメント、飲酒運転などのは厳しい処分が与えられる。

【地方公務員法第33条】
「職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。」

争議行為等の禁止

【地方公務員法第37条第1項】
「職員は、地方公共団体の機関が代表する使用者としての住民に対して同盟罷業、怠業その他の争議行為をし、又は地方公共団体の機関の活動能率を低下させる怠業的行為をしてはならない。又、何人も、このような違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおってはならない。」

政治的行為の制限

  • 地方公務員が政治的目的をもって、政治的行為をすることの制限は、地公法36条に規定されている。
  • 公立学校の教員に対しては、この規定は適用されず、教特法18条の規定により国公法102条が適用される。

【国家公務員法第102条第1項】
「職員は、政党又は政治的目的のために、寄附金その他の利益を求め、若しくは受領し、又は、何らかの方法を以てするを問わず、これらの行為に関与し、あるいは選挙権の行使を除く外、人事院規則で定める政治的行為をしてはならない。」

【第2項】
「職員は、公選による公職の候補者となることができない。」

【第3項】
「職員は、政党その他の政治的団体の役員、政治的顧問、その他これらと同様な役割をもつ構成員となることができない。」

 これを受け、人事院規則14-7で政治的行為の制限を具体的に規定している。更に、義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する臨時措置法などの規定による制限もある。

営利企業等の従事制限

 公務員は勤務時間の内外を問わず、原則として営利企業に従事することが禁止されている。

【地方公務員法第38条】
「職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利を営み、又は報酬を得ていかななる事業若しくは事務にも従事してはならない。」

【教育公務員特例法第17条第1項】
「教育公務員は、教育に関する他の職を兼ね、又は教育に関する他の事業若しくは事務に従事することが本務の遂行に支障がないと任命権者において認める場合には、給与を受け、又は受けないで、その職を兼ね、又はその事業若しくは事務に従事することができる。」

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