教育法規6-(4)「秘密を守る義務」

法規

「秘密を守る義務」について述べなさい。また、秘密の判断基準はどのように考えたらよいか述べなさい。

秘密を守る義務

 「秘密を守る義務」は、地方公務員の身分上の義務である。

 地方公務員とは、常勤職員、非常勤職員、嘱託員(地方公務員法第3条第3項)、臨時的任用職員(地方公務員法第22条)、任期付職員(地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律)をいう。更に、市町村負担教職員や、教育実習生についても同様に考える。

法根拠

【地方公務員法第34条】
 「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。」

【教育委員会月報 H3.6】
 「行政事務は、住民の信託を受けて、その監視と批判の下に執行されることが民主主義国家における基本原則であることから、できる限り公開されることが望まれます。しかし、行政の中には、それを公開することによって、特定の利益を著しく損ねたり、社会の望ましい秩序を混乱させたりするおそれのある場合があります。特定の利益を保護し、秩序を維持することが、住民全体または個人に対して不利益を与える事柄については、これを保護する必要があります。このような観点から、公務員には、秘密を守る義務が課せられている訳です。」

秘密の判断基準

(1)【昭30.2.1自治庁公務員課長回答】
 「秘密」とは、一般に了知されていない事実であって、それを一般に了知せしめることが一定の利益の侵害になると客観的に考えられるものをいい、本条第1項の「職務上知り得た秘密」とは、職務執行上知り得た秘密を、第2項の「職務上の秘密」とは、職員の職務上の所管に属する秘密を指す。

(2)具体例
①「職務上知り得た秘密」
 家庭訪問の際に知ったその家庭の私的な事情がこれに含まれる。そのた、自らの担当外の事項であってもこれに含まれる。ただし、職務に何ら関係なく、偶然に見聞きしたに過ぎないものはこれに含まれない。

②「職務上の秘密」
 教員採用試験に使用を予定されている問題。また、最高裁判例として、単に秘密であると明示された事柄、いわゆ『『形式的秘密』というのではなく、その事柄が非公知の事柄であって、実質的にもそれを秘密として保護するに値すると認められるもの、すなわ『『実質的秘』』でなければならないと解されている。

秘密を守る義務と告発義務

(1)【刑事訴訟法239①②】
 「何人も犯罪があると思われるときは、告発できる。特に、官・公吏は、その職務を行うことにより犯罪がると思料するときは、告発しなければならない。}

(2)公益通報者の保護を図る「公益通報者保護法(H16.6.18法122)」は、平成30年4月1日から施行された。

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