教育法規6-(9)「教職員の懲戒」

法規

 教職員の懲戒について、分限と対比して述べなさい。

「懲戒処分」、「分限処分」どちらも処分を受ける本人の意に反した不利益処分である。公務員である教員は、法律によりその身分が保障されていることで安心して職務に専念することができる(地公法27条)。しかし、この身分保障は絶対的なものではなく、「公務能率の維持」と「法令違反等を侵した職員への制裁を課す」場合には、身分上の不利益処分が下される場合がある。

分限処分

 分限処分とは、教員に心身の故障等があり、職責を果たすことができない場合に、公務能率の維持を目的として、本人の同意を得ず一方的に、降任、免職、休職、降給のいずれかの処分を課すことができるというものである。確かに本人にとって不利益処分ではあるが道義的な責任を問うものではなく、例えば、免職となっても退職金が支払われる場合や休職中でも給与が支給される期間がある場合など、公務員としての身分保障の限界制度(地公法28)でもある。

免職・降任
①勤務実績がよくない場合
②心身の故障や職務の遂行に堪えない場合
③適格性を欠く場合
④廃職又は過員が生じた場合

休職
①心身の故障のため、長期の休養を要する場合
②刑事事件に関し起訴された場合

降給
各都道府県の条例で定める。

適用除外
正式採用となっていない「条件附採用期間中の職員」と「臨時的に任用された職員」には、分限処分は適用されない(地公法29の2)

懲戒処分

 懲戒処分は、全体の奉仕者としてふさわしくない行為、法令や職務上の義務違反、職務を怠った場合等、職員の服務義務違反に対して、任命権者が道義的責任を問う制裁処分のことである。
 その非違の程度により、戒告、停職、減給、免職の処分となる。また、懲戒の手続き及び効果は、法律に特別の定めがある場合を除き、条例で定める。(地公法29④)

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