教育法規8-(3)「職員団体の交渉」

法規

 職員団体の交渉で次の1~3について述べなさい。1 予備交渉 2 管理運営上の事項 3 勤務条件

予備交渉

 職員団体の交渉は、「交渉・話し合い」という。その内容は、地方公務員法第55条の規定に適合することであり、次の要件を最低限満たさなければならない。

  1. 交渉事項
    勤務時間等の勤務条件及びそれに付帯した社交的、厚生的な内容、給与についてで、適法な活動にかかわる事項であること。管理運営事項については、交渉事項になり得ないこと。
  2. 交渉の当局
    交渉事項について適法に管理し、決定できる当局であること。
    例:県教委、市町村教委、校長(公立小中学校管理規則による校長の権限事項)、教頭(校長の職務を代行している場合)
  3. 予備交渉
    上記の要件を満たしたうえで、登録された職員団体に対して、当局側は交渉に応じる義務がある。校長としては、円滑な学校の運営管理を図るという立場で話し合いに望むことが望ましい。そのため、管理運営事項であっても話し合いは行っていく。

予備交渉

 適法な交渉を行う場合は、あらかじめ予備交渉を行い、員数、議題、時間、場所、その他の必要事項をあらかじめ取り決めておかなければならない。【地方公務員法第55条第5項】

 特に、議題が交渉の対象として適法であることを予備交渉の段階で明らかにする必要がある。適法な交渉は勤務時間内においても行うことができる。【同条第8項】

 しかし、予備交渉は含まれないので、勤務時間外に行う。また、交渉が予備交渉で決定された事項に適合しなくなったとき又は、他の職員の職務の遂行を妨げ、若しくは地方公共団体の事務の正常な運営を阻害することとなったときは、これを打ち切ることができる。【同条第7項】

管理運営事項

 管理運営事項は、地方公共団体の事務の管理及び運営に関する事項であり、交渉の対象とすることができない。【同条第3項】

 管理運営事項とは、地方公共団体の機関が、その職務権限として行う地方公共団体の事務処理に関する事項である。例えば、地方公共団体の組織に関する事項、行政の企画、立案及び執行に関する事項、職員定数及びその配置に関する事項、予算の編成に関する事項等がある。また、学校では校長が法令に基づき責任をもって決定すべき事項、校務分掌の決定や教育課程の編成、人事の意見具申等は、校長の管理運営事項であり、職員団体との交渉で決める事項ではない。

勤務条件

【地方公務員法第55条第1項】に規定する交渉は、「職員の給与、勤務時間、その他の勤務条件に関し、及びこれに付帯して、社交的又は厚生的活動を含む適切な活動に係る事項」のうち、校長自らが適法に管理し、運営できる事項に限る。校長が当局となって交渉できる勤務条件は、「勤務時間の割り振り」「休暇の承認」「勤務環境の整備」等が考えられる。

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