教育法規9-(4)「住民登録を行わない児童生徒の就学」

法規

 住民登録を行わない児童生徒の就学について述べなさい。また、無認可の学習施設に通い、国立や学校法人による小中学校に通わない児童生徒の就学についても述べなさい。

住民登録と学齢簿

 日本国憲法第26条、学校教育法第16条、第17条により、子に9年間の普通教育を受けさせる義務を負う。この就学義務がもれなく遂行されるよう市町村教育委員会は、学校教育法施行令第1条、第2条により当該市町村の区域内に住所を有する学齢児童生徒について学齢簿を編製する。

 転入者については、住民基本台帳法第22条により、転入者は転入届を14日以内に市町村長に届け出る。その届け出を受け、学校教育法施行令第4条、同施行令第3条により教育委員会は学齢簿に必要な加除訂正を行う。よって、住民登録が行われて以内場合、就学できない事態が生じてしまう。

【日本国憲法第26条】
「すべての国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。」

【学校教育法第16条】
「保護者は、次条に定めるところにより、子に9年の普通教育を受けさせる義務を負う。」

【学校教育法施行令第1条】
「市町村の教育委員会は、当該市町村の区域内に住所を有する学齢児童及び学齢生徒について、学齢簿を編製しなければならない。」

【住民基本台帳法第22条】
「転入をした者は、転入をした日から14日以内に、次に掲げる事項を市町村長に届け出なければならない。」

【学校教育法施行令第4条】
「第2条に規定する者、学齢児童又は学齢生徒について、住民基本台帳法第22条又は第23条の規定による届出があつたときは、市町村長は、速やかにその旨を当該市町村の教育委員会に通知しなければならない。」

【学校教育法施行令第3条】
「市町村の教育委員会は、新たに学齢簿に記載をすべき事項を生じたとき、学齢簿に記載をした事項に変更を生じたとき、又は学齢簿の記載に錯誤若しくは遺漏があるときは、必要な加除訂正を行わなければならない。」

住民登録を行わない児童生徒の就学

 他の市町村に住民登録をし、当該市町村に事実上居住し、就学を希望する場合(住民票がない場合)

 住民基本台帳に記載されていない者であっても、当該市町村に住所を有するものであれば、この者についても学齢簿を編製すること。この場合において、教育委員会は、住民基本台帳に脱漏または誤載があると認める旨をすみやかに当該市町村長に通知すること(住民基本台帳法第13条)。【住民基本台帳法の制定に伴う学校教育法施行令および学校教育法施行規則の一部改正について(通達)】に基づき住民基本台帳に記載されていない者であっても、当該市町村に住所を有する者であれば、学齢簿を編製し、住民登録を行わないまま、住所を有する学区内の小中学校へ就学(転学)させることができる。当該市町村教育委員会は、速やかに保護者に対し転入期日と学校の指定を通知し、諸手続を取り就学できるような措置を講ずることになる。ただし、DVや債務者から逃れてきた場合等も考慮し、事前に保護者との綿密な話し合いが必要である。当該小中学校長は、仮入学ではなく、他の児童生徒と同様の指導要録を作成する。住所については、客観的居住の事実を確認する必要がある。また、他の市町村に住民登録をしている場合は、その市町村教育委員会と連絡・協議を行い、どちらに籍を置くか明確にし、教科書に二重支給を避ける。

在外外国人の子女の場合

 外国人には就学義務はないが、就学を願い出た場合に市町村教育委員会は、その就学を許可することが望ましいとされている。その際、学齢簿を作成する必要はないが、これに代わるものを作成する。学校の対応としては、日本人の児童生徒と同様の対応(管理下の事故の補償、健康診断、学則の遵守、授業料の無料、教科書の無償給与、就学援助措置等)を保護者に伝え、事前に了解を得ておく。年齢相当の学年に編入させるが、日本語能力等の事情から、実際の学習は年齢相当学年以下の学年で実施する措置も考えられる。

無認可の学習施設に通い、国公立や学校法人による小中学校に通わない児童生徒の就学

 【文部科学省初等中等教育局長通知第330号「登校拒否問題への対応について」平成4年9月】登校拒否児童生徒の中には、学校外の施設において相談・指導を受け、学校復帰への懸命の努力を続けている者もおり、このような児童生徒の努力を学校として評価し支援するため、我が国の義務教育制度を前提としつつ、一定の要件を満たす場合に、これら施設において相談・指導を受けた日数を指導要録上出席扱いとすることができることとする。

出席扱いの要件

 登校拒否児童生徒が学校外の施設において相談・指導を受けるとき、左記の要件を満たすとともに、当該施設への通所又は入所が学校への復帰を前提とし、かつ、登校拒否児童生徒の自立を助けるうえで有効・適切であると判断される場合に、校長は指導要録上出席扱いとすることができる。

  1. 保護者と学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていること。
  2. 当該施設は、教育委員会等が設置する適応指導教室等の公的機関とするが、公的機関での指導の機会が得られないあるいは公的機関に通うことが困難な場合で本人や保護者の希望もあり適切と判断される場合は、民間の相談・指導施設も考慮されてよいこと。ただし、民間施設における相談・指導が個々の児童生徒にとって適切であるかどうかについては、校長が、設置者である教育委員会と十分な連携をとって判断するものとすること。このため、学校及び教育委員会においては、学校不適応対策調査研究協力者会議報告(平成4年3月13日)に別記として掲げられている「民間施設についてのガイドライン(試案)」を参考として、前記判断を行う際の何らかの目安を設けておくことが望ましいこと。
  3. 当該施設に通所又は入所して相談・指導を受ける場合を前提とすること。

住民基本台帳法の制定に伴う学校教育法施行令および学校教育法施行規則の一部改正について(通達)(昭和42年10月):文部科学省 (mext.go.jp)

● 登校拒否問題への対応について 平成4年9月24日 文初中330 (chobi.net)

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