教育法規1-(3)「戒告」「訓告」「口頭注意」「条件附任用」「期限附任用」「減給」「降任」「降格」「失職」「停職」「免職」

法規

 次の用語を、具体例を挙げて法的に説明せよ。

「戒告」「訓告」「口頭注意」

【地方公務員法第29条】
「職員が次の各号の一に該当する場合においては、これに対し懲戒処分として、戒告、減給、停職又は免職の処分をすることができる。」

「戒告」

 法令その他の職務上の義務違反等に対し、本人の将来を戒める処分で給与上の不利を伴う行為。戒告を行う権限は任命権者である都道府県教育委員会に属する。【地方公務員法第6条第1項】

「訓告」

 公務員の規律義務違反に対する行政上の指導措置の1つ。懲戒まで至らない者を事実行為として注意を促し将来を戒めるもの。その職員が訓告を受けたことにより、その地位、職務に影響を受け、あるいは何らかの不利益をうけるとは認められないので、不利益処分の対象とはならない。。【昭和49年3月12日札幌市人事委員会】

 戒告等の懲戒処分が任命権者である市町村教育委員会の行為であるのに対して、訓告は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第43条第1項に定められた服務監督権者である市町村教育委員会によって行われる行為である。

「口頭注意」

 職員の行動を戒め、その注意喚起のために行われる行為。訓告と同様に服務監督権者である市町村教育委員会によって行われる行為。一般に口頭による注意なので訓告よりも軽いとされている。

「条件附任用」「期限附任用」

 任用とは、任命権者が公職に職員をつけることであり、採用、昇任、降任又は転任のいずれかの方法による。【地方公務員法第17条第1項】

  このうち採用とは、現に職員でない者を職員の職につかせることである。職員の採用は臨時的任用(地方公務員法第22条第2項)と非常勤職員の任用の場合を除きすべて条件つき。

「条件附任用」

【地方公務員法第22条第1項】
「臨時的任用又は非常勤職員の任用の場合を除き、職員の採用は、全て条件付のものとし、その職員がその職において6月を勤務し、その間その職務を良好な成績で遂行したときに正式採用になるものとする。」

【教育公務員特例法第12条】
「公立の小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、幼稚園及び幼保連携型認定こども園の教諭、助教諭、保育教諭、助保育教諭及び講師に係る地方公務員法第22条第1項に規定する採用については、同項中「6月」とあるのは「1年」として同項の規定を適用する。」

「期限付任用」

 臨時的任用や再任用などのような期限を付けた任用のこと。労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、次の各号のいずれかに該当する労働契約にあっては5年を超える期間については締結してはならない。
(1)専門的知識等を有する労働者との間に締結される労働契約。
(2)満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約【労働基準法第14条】

「減給」「降任」「降格」

「減給」

 懲戒処分の1つ。一定期間、職員の給与の一部を減額するもの。職員に「法令違反」「職務条の義務違反・職務怠慢」「全体の奉仕者たるにふさわしくない非行」があった場合に行われる。県費負担教職員の懲戒の手続き及び効果については、法律に特別の定めがある場合を除くほか、都道府県の条例で定められている。【地方公務員法第29条第4項、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第43条第3項】手続きとして処分事由を記載した説明書を交付すること。【職員の懲戒の手続及び効果に関する条例第3条】効果として6月以下の期間、給料の月額の10分の1以下に相当する額を、給与から減ずる。【同条例第4条】なお、給与取扱上、懲戒処分を受けた職員は1年間特別昇給の対象とならず、普通昇給についても延伸される。

「降任」

 分限処分の1つで、職員を現に有する地位、職務の等級よりも下位のものに任命する処分。降任は職員に不利益な処分なので、「勤務実績がよくない場合」「心身の故障のため職務の遂行に支障があり、またはこれに堪えない場合」「廃職または過員を生じた場合」を除き、その意に反して処分を下すことができない【地方公務員法第27条第2項、第28条第1項】その手続き及び効果については、法律に特別の定めがある場合のほか、条例で定めるものとされている。【地方公務員法第28条第3項】

「降格」

 給与制度上の取扱いで、職員の職務の級の同一の俸給表の下位の職務の級に変更すること。【人事院規則9-120第2条第1項第5号、初任給、昇格、昇級等の基準に関する規則第2条第1項第3号/人事委員会規則7-221】。しかし、教員は行政職に比べ職制が簡素なため、実質的には任用制度上の降任の一形態として取り扱われている。したがって降任の事由に該当しない場合は、その意に反して降格されることもない。ただし、平成16年度より、校長や教頭の「希望降任制度」が実施されており、この場合は例外的に降格(降任)の扱いとなる。

「失職」「停職」「免職」

「失職」

 ある職の者にあるが法律や規則等の規程によって、その職を失うこと。【地方公務員法第28条第4項】では、同法第16条の欠格事項に該当する場合にその職を失うことを定めている。教員については、相当する免許状を有することが前提となっている【教職員免許法第3条】そのため、規定により免許状が失効した場合【同法第10条】は、失職するものと解されている。更に、教員免許の有効期限が10年となり、教員免許更新制による更新講習を修了しなかった場合の免許は効力を失うことになる。【教育職員免許法第9条第2項、第3項、第10条、第11条】

「停職」

 職員を懲罰として一定期間職務に従事させない処分。【地方公務員法第29条第1項】その手続きと効果は、法律に特別の定がない場合は条例で定めることとされている。【同法第29条第4項】停職者にはその旨を記載した書面を当該職員に交付すること、停職期間は1日以上6月以下で、停職者はその職を保有するが職務には従事しない、更に、停職の期間中いかなる給与も支給されない。【職員の懲戒の手続き及び効果に関する条例第3条、同条例第5条第1項~第3項】

「免職」

 公務員である者を任命権者の行為によってその身分を失わせること。以下の3種類がある。

「懲戒免職」

 職員の義務違反に対し公務の秩序維持の観点から、道義的な責任を問うもの。退職手当は非違の内容及び程度、当該非違に至った経緯等を勘案して、全部又は一部を支給されない。【地方公務員法第29条、職員の退職手当に関する条例第15条】

「分限免職」

 職責を十分に果たし得ない状態に対し、公務の能率維持の観点からその職から排除すること。退職手当は支給される。職責を十分果たし得ない状況とは、①勤務実績がよくない場合、②心身の故障のため、勤務の遂行に支障があり、又はこれに堪えない場合、③前2号に規定するものの外、その職に必要な適格性を欠く場合、④職制若しくは定数の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合【地方公務員法第28条第1項、第3項、職員の分限に関する条例第3条】

「諭旨免職」

 職員の義務違反行為に対する道義的責任を明らかにし、本人の意思に基づく退職を認めるもの。退職手当は支給される。【職員の退職手当に関する条例第15条】

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