小・中学校における臨時的任用職員は、どのような場合に任用されるか。また、任用する場合の手続き、留意点及び提出書類について述べなさい。
任用の法根拠
【地方公務員法第22条第2項】
人事委員会を置く地方公共団体においては、任命権者は、人事委員会規則で定めるところにより、緊急の場合、臨時の職に関する場合又は採用候補者名簿がない場合においては、人事委員会の承認を得て、6月を超えない機関で臨時的任用を行うことができる。この場合において、その任用は、人事委員会の承認を得て、6月を超えない機関で更新することができるが、再度更新することはできない。
【同条第3項】
前項の場合において、人事委員会は、臨時的任用につき、任用される者の資格要件を定めることができる。
【同条第4項】
人事委員会は、前2項の規定に違反する臨時的任用を取り消すことができる。
【実例】
「人事委員会の承認」は、臨時的任用を行おうとする職についての承認で、臨時的任用を行おうとする職員個々についての承認ではない。〔昭31.9.17行実〕
【参考】
人事委員会
採用候補者名簿
臨時的任用教員が任命される場合
その職員の職を欠員にしておくことができない場合の緊急の措置
教職員の年度途中の死亡、退職、失職、免職等
臨時の職に関する場合
休職中の教職員の代替、育児休業中の教職員の代替、産休中の教職員の代替、長期療養教員の代替、長期研修教員の代替等
任命候補者名簿に適当な候補者がいない場合
人事委員会の承認を得ずに臨時的任用を行うことが認められている。
任用候補者名簿がない場合
当該年度の名簿登載者が全員任用されてしまっている場合。
その他、人事委員会の承認を必要としない場合
【人事委員会規則】教育の職に関わり臨時的任用の場合
【女子職員の出産に際しての補助教職員の確保に関する法律第3条】
公立の学校に勤務する女子教職員が出産することとなる場合においては、任命権者は、出産予定日の6週間前の日から産後8週間を経過する日までの期間又は当該女子教職員が産前休業を始める日から、当該日から起算して14週間を経過する日までの期間のいずれかの期間を任用の期間として、当該学校の教職員の職務を補助させるため、校長以外の教職員を臨時的に任用するものとする。
【地方公務員法の育児休業等に関する法律第6条】
任命権者は、第2条第2項又は第3条第1項の規定による請求があった場合において、当該請求に係る期間について職員の配置換えその他の方法によって当該請求をした職員の業務を処理することが困難であると認めるときは、当該業務を処理するため、次の各号に掲げる任用のいずれかを行うものとする。この場合において、第2号に掲げる任用は、当該請求に係る期間について1年を超えて行うことができない。
一 当該請求に係る期間を任用期間の限度として行う任期を定めた採用
二 当該請求に係る期間を任期の限度として行う臨時的任用
手続き
校長は、教職員が一時的に欠けることが生じた場合は、市町村教育委員会と連絡を取り合い、指示を受ける。
校長は、臨時的任用職員を採用するにあたり、市町村教育委員会に必要書類を添えて具申書を提出する。(様式は都道府県教育局小中学校人事課が作成した教育行政資料を参照)
留意点
- 当該職員には、事前に、臨時的任用職員の任用形態、発令期間等を明示しておく。
- 児童生徒、保護者への説明等の対応を遺漏なく行う。
- 分限処分や不利益処分に関する不服申し立ては適用されない(地公法第29条の2)も事前に明示しておく。
必要書類
本人
- 公立小中学校臨時的任用教員等希望調書
- 教員免許状の写し又は授与証明書
- 身分証明書
- 登記されていないことの証明書
- 初任給格付票
- 健康診断票
校長
臨時的任用職員の採用に関する具申書
市町村教育委員会
人事に関する内申書
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